コーラル 10CX-50 スピーカーユニット

コーラル 10CX-50 スピーカーユニット

 

CORAL コーラル 10CX-50

 

1970年ごろ〜1975年ごろ

 

10CX-50

 

10CX-50

 

 

 

♪コーラルというメーカー

 

 

 以前は、フォステクスとならんでコーラルは国内の有名なスピーカーメーカーでした。正式にはコーラル音響という会社で、40代後半以降のファンには、FLAT-6(16cmダブルコーン)、BETA-8(20cmバックロード用)、8CX-50(20cmコアキシャル)といった型式が懐かしいのでは。スピーカーシステムも多数出していて、私もCX-3という25cm3Way密閉スピーカーシステムを所有していました。
 10CX-50は、25cmのコアキシャル型2wayスピーカーユニットで、20cmユニットの8CX-50、16cmユニットの6CX-50といったシリーズの中で最上位機種でした。1970年ごろのコーラルのカタログに、不思議な形をしたこれらが載っていたのを覚えています。当時は、あまり洗練されているとは言い難く、興味の湧く機種ではありませんでした。むしろパイオニアPAX-A20に魅力を感じていました。

 

10CX-50

シルバーの美しいホーンが印象的

 

PAX-A20

パイオニアPAX-A20

 

 

 当時の雑誌には、FLAT-6やFLAT-8の記事が良く出ており、このユニットは音の良さが評判で価格も比較的安く欲しいユニットでしたが、結局当時はFLAT-8もPAX-A20も8CX-50も購入することはありませんでした。それは、セパレートステレオを購入したために単品でユニットを買う必要がなくなってしまったのです。
 「当時のモノ」に惹かれるのは、懐かしいという思いとともに、今でも良い評判を聞くに付け、「本物」の良さを確かめたいという好奇心が働くのでしょう。今、このシリーズをはじめ、ダイヤトーンP-610、FLAT-10も一度聴いてみたいものです。

 

8CX-50 FLAT-8

 

コーラル8CX-50            コーラルFLAT-8

 

P610

 

ダイヤトーンP-610

 

 

 10CX-50は古いユニットですから、大きな箱に入れなければ本来の音が出ないのです。推奨箱は109リットルにもなります。でもこれではすでにチェビオットのある5畳のリスニングルームには入りません。私にはある目論見がありました。それは手持ちのVLZ箱に入れることでした。VLZにはもともとHPD295が入っているのですから、25cmコアキシャルユニットを入れてもいけるのではないかと思ったのです。手持ちのVLZ箱は、以前のユーザーがいろいろなユニットを取り付けできるようにサブバッフルと取り付けビスが付いていました。サブバッフルをはずすと、ビスが10CX-50の取り付け穴にぴったりとフィットしました♪。難なく取り付けたところが次の画像です。

 

10CX-50

VLZ箱に入れた10CX-50

 

 

 VLZ箱は容積が約40リットルしかないので、必然的に後面開放で使用します。本来の音ではないかも知れませんが、箱が変わってもユニットの本質はそう変わりませんから、音の傾向を掴むことはできます。

 

10CX-50

 

10CX-50 10CX-50

上下逆だったかも        完成後の外観

 

 

 

10CX−50 ユニット

 

 1970年前後にはこのようなコアキシャルユニットがたくさん市販されていました。コーラルからは3Wayトライアキシャルユニットも市販されていたように記憶しています。当時のカタログをもう一度見てみたいものです。ウーハーは変哲のない黒いコーン紙に布エッジで、汚れもなくきれいなものです。ツイータがこのユニットの特徴で、おそらくアルミダイキャスト製と思われます。美しく輝いています。ネットワークはホーンの裏にラグ盤とともに取り付けられています。

 

10CX-50

 

 

 形状と年代を考えれば、アルニコマグネットでしょう。ダイキャストフレームと相まってとても重量があります。端子はサビもなくピカピカの状態です。VLZのHPD295の穴よりもわずかに大きなフレームとなっています。

 

10CX-50

 

 

 標準キャビネットの図面です。10CX-501用ですが、同一のはずです。
 内法の寸法は、幅460mm、奥行き360mm、高さ660mmで109リットルになります。図面は見づらいかも知れません。ダクト寸法は、220mm×60mmで奥行き180mmです。

 

10CX-50

 

 

 スペックも10CX-501のものですがほぼ同一でしょう。音圧は10CX-50は101dBですが、これはスピーカー前方50cmの位置で測定した旧JIS規格のもので、現行の1m前方の数値に換算すると94dBになります。

 

10CX-50

 

 

 

 試聴してみました

 

 さて、音色ですが、輪郭のはっきりとした音です。後面開放又は平面バッフル特有の中域の賑やかさがあり、おそらくこのユニット固有の中域の張り出しと相まって、うるさく感じられる場面がありました。ウーハーのカットオフがないことも何となく余計な音がつきまとう(又は音が歪む)感じのする要因かも知れません。低域はある程度出ますが、やはりしっかりとしたバスレフ箱を使用しないと身体に響くような本当の低音は出てきません。タンノイ・チェビオットでは聞こえる低音が、こちらでは聞こえないことは、聴いていてストレスに感じてしまいます。高域は繊細感があり、十分な音量もあって不満はありません。逆にチェビオットの高域が控えめに感じられ、スーパーツイータでも付けたくなりました。
 ソースは、コルトレーン、ビル・エヴァンストリオ、サリナ・ジョーンズの各LPレコードを時折チェビオットと切替ながら楽しみました。トータルとして、きちんとしたネットワークでウーハーとツイータをつないでやると、余計な音のまとわりつく感じがなくなるのではないかと思います。そして、指定箱かそれに近いサイズの箱を組んで、きちんとバスレフを効かせれば、25cmウーハーですから低音はちゃんと出るはずです。そうすれば、かなりのレベルで楽しむことができると思います。音圧は高く、チェビオットでボリューム10時の位置が、10CX-50では9時の位置で同じ音量の音が出ます。
 何かにつけてチェビオットと比べるのは酷だとは思いますが、10CX-50シリーズもほぼ同年代のユニットです。タンノイのHPDシリーズには及ばないというのが正直なところです。ただ、このユニット、見た目の華があり見るだけでも楽しいですね。一度手放すと、程度の良いものにはもうお目にかかれないでしょう。こんなところも簡単に手放す気にはなれない原因なのでしょう。

 

 当時の定価は1台13,500円。
 現在でも中古市場にたまに出てきます。ペアで2万円程度で入手可能です。

 

 

 

 コーラルCX-3スピーカー

 

 番外編です。1978年から1995年ごろまで使っていたのがコーラルCX-3というスピーカーでした。ブックシェルフタイプで、25cmウーハー、ドームスコーカ、ドームツイータの密閉型3Wayでした。以前に知人より譲り受けたもので、低音はとても良かったのですが中高音はソリッドで、あまり好きな音ではなく、ほとんど部屋の飾りになっていました。当時は、ビクターSX-3が発売された時期で、繊細な柔らかい音にとても人気がありました。

 

CX-3

 

 

 

 フルレンジの魅力

 

 フルレンジは10CX−50でやや興味が薄れてしまいました。派手ではない音、ヨーロッパ系の音という評判から想像していた音とは違っていて、コーラルの音そのもので、好みとは違っていました。また、ドイツのイソフォンを1カ月ばかり貸してもらって聴いたことがあります。さすがに人気のあるイソフォンはさわやかないい音で聴かせてくれました。でも、チェビオットのサブにというまでには至りませんでした。イソフォンは25cmのシングルコーンで、10cmのコーンツイータも追加できます。昔のアンサンブルステレオについていたようなスピーカーですが、人気があるための中古市場の価格は10CX−50以上に高価です。

 

イソフォン

 

 

 フルレンジは所詮こんなものかとしばらく興味が遠ざかっていました。最近(2009年1月)、オープンリールを手に入れた時に再び、古くてもびっくりするいい音に出会い、それからダイヤトーンP−610でジャズやクラシックを聴いてみたいという気になりました。自分の中では昔から興味のあった中では最後のフルレンジになるでしょう。アルニコのP−610と、とても相性の良かったナショナル製ツイーターをぜひとも入手したいと思います。難をいえば、昔のスピーカーの常で箱が大きいことです。

 

P610

 

 

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